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イミグレーションニュース

2008年移民法改訂後の個人移民申請

今回の改訂は連邦個人技術移民(Skilled Worker)を対象に、新規申請数減少と同時に迅速な新移民のカナダ経済、ビジネスへの即戦力化を目指した行われたものです。その結果申請資格が大幅に絞込まれ従来の様に誰でも申請でき無くなりました。今回の優先受付資格を決定したのが今回の改訂法の目玉とも呼べる Ministrial Instruction<大臣命令>です。法律自体を改定すること無く、その時々のカナダ経済を考慮し誰を優先的に受け付けるかを随時決定する公式要綱です。家族移民、ビジネス移民、州推薦移民、ケベック移民、住み込みナニープログラム等は改定法の対象外なので従来どおりの優先順に従って審査が行われます。
次に昨年11月28日に発表されたMinistrial Instruction<大臣命令>によって定められた優先対象技術移民の説明をします。

適用範囲:

改定法は個人技術移民(Skilled Worker)申請の内で改定法発布日、2008年2月28日以降に受理されたものが対象です。それ以前の申請分は以前の法律が適用されますので改定法だと申請資格が無くとも資格を失う様な事はありません。これから暫くの間は改定後提出された申請とそれ以前に提出された申請が新旧法律下並行して審査される事になります。 2008年2月28日以前に提出済みで数年待ちの申請者が2008年改定法でも申請資格がある場合、審査時間の短い改定法下で再申請する事が認められています。自動的に有利な改定法の適用は行われませんから自分で新規に改定法下で申請を行う必要が有ります。一時的に二つの申請が重複しますが新規分が受理されたら旧申請を取り下げます。旧申請の審査開始前ならば旧申請費は返却されます。

変更内容<優先申請カテゴリー>:

今回の法律改訂の主眼点は、増加の一途を辿る申請在庫を減らし、待ち時間を短くし新移民がカナダ経済にリアルタイムで貢献する事を目指しています。改訂法下だと従来の様に審査順番待ちに入ること無く即審査が受けられる建前です。まだ実績データが無く何とも言えませんが1年以内を期待しています。
次に改訂後の申請資格の各カテゴリーを説明します。

1)指定職種に該当する場合:

従来はNOC<National Occupational Classification>で区分けされる専門職の、タイプ“0”、スキルレベル“A”又は“B”に含まれる全ての職種で過去10年の間に最低1年間経験が有りその他条件を満たしていれば誰でも申請出来ました。これに対し現在対象となる優先職種は以下の如くたったの38種類です。

  • 0111 Financial Managers
  • 0213 Computer and Information Systems Managers
  • 0311 Managers in Health Care
  • 0631 Restaurant and Food Service Managers
  • 0632 Accommodation Service Managers
  • 0711 Construction Managers
  • 1111 Financial Auditors and Accountants
  • 2113 Geologists, Geochemists and Geophysicists
  • 2143 Mining Engineers
  • 2144 Geological Engineers
  • 2145 Petroleum Engineers
  • 3111 Specialist Physicians
  • 3112 General Practitioners and Family Physicians
  • 3141 Audiologists and Speech Language Pathologists
  • 3142 Physiotherapists
  • 3143 Occupational Therapists
  • 3151 Head Nurses and Supervisors
  • 3152 Registered Nurses
  • 3215 Medical Radiation Technologists
  • 3233 Licensed Practical Nurses
  • 4121 University Professors
  • 4131 College and Other Vocational Instructors
  • 6241 Chefs
  • 6242 Cooks
  • 7213 Contractors and Supervisors, Pipefitting Trades
  • 7215 Contractors and Supervisors, Carpentry Trades
  • 7217 Contractors and Supervisors, Heavy Construction Equipment Crews
  • 7241 Electricians (Except Industrial and Power System)
  • 7242 Industrial Electricians
  • 7251 Plumbers
  • 7252 Steamfitters, Pipe fitters and Sprinkler System Installers
  • 7265 Welders and Related Machine Operators
  • 7312 Heavy-Duty Equipment Mechanics
  • 7371 Crane Operators
  • 7372 Drillers and Blasters ― Surface Mining, Quarrying and Construction
  • 8221 Supervisors, Mining and Quarrying
  • 8222 Supervisors, Oil and Gas Drilling and Service
  • 9212 Supervisors, Petroleum, Gas and Chemical Processing and Utilities

この職種リストをご覧になると分かりますが非常に特定分野で選択が行われています。一例を挙げると、レストランマネジャー、ファイナンシャルマネジャー、会計監査人/会計士、鉱山エンジニア、石油エンジニア、医者、看護士、調理師、大工、クレーン運転手、溶接工などですが、現時点で不足職種として認識されている職種を選んだ事が分かります。しかし反面、この職種リストは時に応じて変化する可能性が高いと推測されます。 このリストに載っている職種で過去10年間で最低連続1年間フルタイム相当の就労経験が有れば申請資格が有ります。技術移民の審査は点数制なので、申請資格が有っただけでは永住権は取得出来ません。選択6項目<年齢、教育歴、職歴、語学力、雇用アレンジ、適応力>の合計点がその時の合格点数を満たす事が永住権取得の必要条件です。

メリットはともかく申請が出来る事、優先扱いなので順番待ちをする必要が無い事です。改定法ではこのクラスの申請は中央管理制度の対称なので、全ての申請は一旦カナダの Central Intake Unit*CIU<中央受付事務所>*ノバスコシア州のシドニー、へサポート書類なしで申請用紙と申請費を提出します。申請資格有りと確認後、書類は申請者の国籍、或いは所在地を管轄するビザオフィス<大使館、領事館>に送られます。その後は当該各ローカルオフィスの指示に従って書類の提出を行います。この様に新プロセスは2段階となります。中央管理することで応募数の全体管理を容易にする事を目指します。このシステムでは中央受付事務所へ送られた順に所定の事務所へ送られると説明されています。

2)カナダ雇用が確保されている申請の場合:

このカテゴリーは基本的には以前の法律ルールと全く同じ扱いです。即ちカナダに既に雇用先が確保されている場合は明確にカナダニーズを表している為、優先的に審査を行うと言う事です。雇用オファー付き申請<Application with Arranged Employment>と呼ばれます。このカテゴリーの場合は該当職種は上記1)に含まれる必要は有りません。対象専門職はNOCの0又はA又はBであれば38類の指定職種外でも対象です。
当該カテゴリーにおける雇用アレンジ形態には2種類あります。

A)カナダですでに就労中で且つ恒久雇用オファーが確保されている場合。
*申請時に労働ビザでカナダ就労中且つビザ発行時も同条件で就労中が条件。該当する労働ビザの種類はLMO<Labor Market Opinion>を取得労働ビザでも、LMO免除の労働ビザも対象です。

B)カナダ雇用予定主がAEO(Arranged Employment Opinion)を取得した場合。
以上何れも雇用オファー付きと扱われ優先的に審査を受ける事が出来ます。これも点数審査対象ですが、雇用アレンジが認められると雇用アレンジの項で10ポイント、適応力で5ポイントの合計15ポイントが加点される為申請が受理されるチャンスは飛躍的に増えます。申請方法ですが、このカテゴリーで申請する場合は カナダのCIU経由では無く自分の国籍を管轄する国のビザオフィスへ直接書類を完成させた上で申請します。日本人の場合は東京のカナダ大使館です。

3)カナダ国内滞在者:

大臣命令の中で一番抽象的な優先カテゴリーですが、カナダに1年以上居住していれば技術労働者として申請を認めるルールで改定法以前から存在していた方法を基本的に踏襲しています。但し今回具体的に設けられた必用条件として過去1年以上の滞在中最低1年間学生または就労者で居た事が上げられます。このカテゴリーは既にカナダとタイが築かれているカナダ社会経験済み外国人はカナダ社会への適応、経済自立が早いと言う見込みで設定され、上記1)の専門職経験者以外でも又雇用アレンジが無くても技術移民申請を認めるものです。カナダでの1年間の就労・就学はあくまでも申請資格の有無の決定要素で技術移民としての必須要素では有りませんから、留学生の学校の指定も無いし<但しアカデミック内容という但し書きはありますから、職業訓練又はアカデミック内容に限り趣味のコースなどは該当しないと考えるべきと思います> 就労経験は専門職<NOC、0,A,B>の必要すら有りません。重要なことは最低1年間就学又就労していた証明はきちんと準備することだと思います。

上記1)2)を満たしていなくとも、申請は技術民としての申請ですから少なくとも専門職(0、A、B)で過去10年間に最低連続フルタイム1年相当の経験が必要です。又合格ラインの67点を満たす必要が永住権取得の要件です。1年の就労経験は合法であれば就労ビザの有無は条件では有りません。即ちビジタービザで野就労が認められている場合、宗教家なども含まれます。
雇用オファーも無く、専門職も大臣指定職に漏れているカレッジ留学生<1年コース卒>等が点数を満たしている場合向けのカテゴリーです。

申請先はUSA、バッファローのカナダ領事館です。申請時はカナダに滞在していることが条件ですが申請提出後は母国への帰国は自由です。

4)カナダ経験者クラス<留学生/就労者>:

最後にやはり改定法の目玉の一つを紹介します。カナダ移民選択の新たな手段として改定法上技術移民クラスとは別に新たに設けられたクラスで、 カナダ経験者クラス<Canadian Experience Class*CEC>と呼ばれます。技術移民の様に点数査定の対象ではなくカナダに一定期間以上就労者として滞在している外国人が一定条件を満たすと永住権が与えられます。カナダ滞在が必要条件という点では 上記3)と少し似ていますが3)はあくまでも技術労働者としての申請の為の資格確保の為の滞在実績であり、これに対しCECは、滞在内容自体が永住権獲得の必要十分条件となるので全く異なります。

CECには留学生カテゴリーと就労者カテゴリーが有りますが、先ず留学生の場合はカナダでカレッジ、大学などカナダイミグレーション、CICが認める教育機関<一般的には公立カレッジ、大学と呼ばれる学校> でフルタイム2年コースを終了し、更にカナダで1年間フルタイムで専門職<NOC、0,A,B>で就労経験を積むことが必要条件です。この条件を満たした事を証明すれば永住権が与えられます。就労のタイミングは申請前2年以内で1年間フルタイム相当の経験です。*1年フルタイム相当とは就労時間合計が1950時間と言う意味です。2年間にこの時間数を累積すれば良い事になります。パートタイム、複数雇用などのコンビネーションも認められます。

一般的なシナリオとしては先ずカレッジで2年フルタイムプログラム(2セメスターx2、2セメスターとは8ヶ月、故にカレンダーでは2年フルタイムコースとは16ヶ月で良い)を終了し、3年の Open Work Permit<Post Graduation Work Permit *PGWP>を取得し、その間(3年)に専門職種で1年フルタイム相当の就労実績を2年の間で積み重ねる、となります。以上の条件を満たせばCECで申請資格が生まれ受理されると点数査定免除で永住権が取得できます。このクラスは点数査定ではなくYES/NO型です。但し公認英語テストの提出が必要で語学力レベルは自分の申告専門職種により異なります。就労経験は就学中は対象外で、あくまでもコース終了後に取得した分のみが認められます。非合法就労は認められません。

就労者の場合は申請前3年間で2年間のフルタイム相当の専門職経験が必要条件です。
これ以外の条件としては学歴が高校以上、留学生カテゴリー同様、一定上の語学力証明を公認テスト結果を通じて要求されます。判定は留学生同様 YES/NO型で点数査定は免除です。CECは点数査定免除なので、高学歴が無い、又年齢が高い等の状況下でも点数査定と比べ不利にはなりません。しかし意外な落とし穴として、語学力証明が上げられます。単純な数少ない条件なのですが満たさないと致命的です。職種に応じて語学レベルが異なりますが、NOC 0又はAの場合は中級で少し厳しく、駐在員経験者等の場合は慣れないテストでなかなか基準を満たすことが出来ず、むしろ大臣命令の2)雇用オファー付申請を選ぶほうが良い場合もあります。Bならば初級レベルで合格です。就労経験ですが原則雇用形態のみ認められ自営業ベースは対象では有りません。CECのポイントは1年又は2年の経験の内容証明にかかっています。

その他注意事項:
英語力の評価に関し2月28日以降はIELTSの換算規準が若干変更されました。この改定換算チャートは旧申請者には適用されません。しかしもしも適用が有利に作用する場合は適用も認められます。尚一時公認テストから削除されていたCELPIPも改訂後は再度公認テストとして認められるようになりました。但しCECはIELTSのみです。



2007年4月16日受付再開
PEINP(Immigration Partner Program)についての詳細

プログラム紹介

カナダ移民プログラム、特に経済移民カテゴリーはますます地元のニーズに対応する方向に選択システムが移行しています。具体的にはカナダ雇用主から雇用オファーを確保している場合や、カナダの特定州から州推薦移民として選ばれている場合は連邦政府は優先的に審査を行う事が決められています。いくら高学歴、豊富な就労経歴、高度な語学力を有し連邦経済移民規準を満たしていても、昨今のカナダ人気高騰の結果単に順番待ちだけで数年かかりますからこれからの移民申請は如何に時間短縮が果たせるかを十分考慮した作戦が重要です。州推薦移民とは州独自の基準で審査する為、審査プロセスは州政府審査+連邦政府審査と2段階になります。しかし両方のプロセスを合わせても政府資料によると現時点では約1年前後なので十分に検討の価値が有ります。

さて今回ご紹介するプログラムはカナダ東海岸に位置する赤毛のアンで有名な小さな島、PEI州が紹介する州推薦移民プログラムの一つで投資移民型のビジネスプログラムです。正式名称はイミグレーションパートナープログラムといいます。現在各州が独自に開発した州推薦プログラムは各種多様ですが、その中でも投資移民タイプとしては規模は小さいながら唯一利用可能な貴重な存在です。PEI定住が原則ですが、連邦投資移民或いはケベック投資移民規準を満たさない方或いは短時間で永住権取得を希望する方は一考の価値が有ると思います。因みにPEINP全体で州推薦移民の年間枠は200名です。

投資移民は確かに一定資産、ビジネス経験などが必要で万人向けでは有りませんがPEIプログラムは連邦政府やケベック州政府に比べ条件がかなり緩やかで現在最もホットなプログラムとして人気高騰中です。あまりの高人気で一時受付が停止になっていたのですが、4月16日から再開されたのを機に皆様に紹介する次第です。

プログラム概要

基本的な資格条件:
1)夫婦名義の合法形成純資産最低40万カナダドル(日本円で換算すると約4200万円)を有する。
2)ビジネス経営<資本比率70%以上>又は管理職経験を過去10年以内で最低1年有する。
3)20万カナダドル(約2100万円)をPEI企業に出資すると同時に当該投資企業の管理職任務に就く。
以上の3点を満たし、州政府の審査に合格するとPEI州から州推薦移民としてノミネート資格を得る事が出来るものです。
 
審査項目:
申請資格の有無は選択基準項目100点満点中で50点以上の確保が最低条件です。審査項目は5項目で、
1)年齢 (10点)
2)教育 (25点)
3)ビジネス経験 (31点)
4)語学力 (24点)
5)適応力 (10点)   から構成されています。
 
以下に各項目の簡単な説明を行います。但し内容を全て網羅している訳では無くあくまでも参考資料としてご覧頂く為の目的で準備しました。正式な査定をご希望の場合は当社の無料査定からお申し込みになるか、PEI州公式サイトをご覧下さい。
 
点数査定:
1)年齢 (10点)
*21−49歳まで満点。前後1歳毎に2点原点。連邦規準と同じ。
*申請上年齢制限は無い。
2)教育 (25点)
*最低9点(高校卒)から最高25点(大学院以上)までの幅の中で、就学年数、取得コース、取得学位に応じて点数が与える。連邦規準と異なる点は高卒の配点が5点から9点へ増えた事。
*最低必要な学歴は高卒。
3)ビジネス経験 (31点)
*過去10年以内で最低1年以上フルタイム管理職経験が最低条件。
*5年以上<21点>、4年以上<19点>、3年以上<17点>、1年以上3年未満<15点>。
*10年以上連続した管理職経験が有る、或いは2年以上ビジネス経営経験が有るとそれぞれ更に<+5点>
*ビジネスセクターに関しては特に限定は無い。
4)語学力 (24点)
*第一公用語(16)第二公用語(8)
*語学力判定基準はCLB(Canadian Language Benchmark)が連邦政府同様適用される。申告は自己申告か公認テストだがPEIプログラムでは必ず面接が持たれ実力は面接でも確認される。
*語学力救済プログラム(Language Deposit):申請者の英語/フランス語能力が皆無でも申請出来る為のユニークな制度。永住権申請時に保証金(2万ドル)を積むと実力に関係なく語学力項目で8点が与えられる。保証金は永住権取得後PEI1年間居住証明及び語学力改善証明が行われると全額返却される。保証金が返却される為の規準は英語だとCLBのレベル3−4。レベル4とは“初級レベル”の最も下、レベル3は更に低く”初級レベル“の更に下の上、非常に低い設定なので語学力の下地が無くとも達成できる様になっている。
5)適応力 (10点)
*配偶者の会話力/学歴(高校以上)/就労経験(5年以上)、PEI就労1年以上、PEI就学2年以上、PEI親戚の有無。
 
<個人純資産>
資産は夫婦名義分が対象です。個人からの一時贈与/貸与は個人資産として認められません。自己合法形成が原則ですが手段に関しては特に限定は有りません。ビジネス資産が個人資産に含まれる場合は以下の基本条件があります。A)株所有比率70%以上、B)公式財務諸表提出、C)個人資産はビジネス資産の30%が上限、D)40万ドル中ビジネス資産の占める割合は30%まで(12万ドル)。政府の最大関心事は非合法の資産がPEIに投資される事を防ぐ点に有りますから全ての資産は客観的な資料を通じて裏付け出来る事が条件です。
 
<PEI投資>
PEIプログラムで要求される投資とは政府への支払いの形をとる連邦やケベックプログラムと異なり、申請者が直接PEIビジネスに株主として20万ドルの投資を行う形を取ります。又政府による投資元本に対する保証も無い為一般の申請者には当初から難しい設定ですが政府公認の投資仲介業者、Invest―ment Imtermediary(Match Maker)が地元企業、外国人投資家、政府の間で重要な仲介の役割を果たす事でプログラムが機能する様になっています。PEIプログラムでも連邦或いはケベックプログラム同様融資オプションの利用が可能です。特にPEIでは投資元本保証が無い事、ローカルの非上場民間企業への投資が必要なので、融資オプションを提供する仲介業者に一括払い切りで面倒な投資先ビジネスの選択や投資リスクを回避できるプログラムは有用でしょう。多少の増減は有るかもしれませんが現時点での標準的な払いきり費用は約11万ドルです。この費用の返却は有りません。
又株主としての配当権などもオプションを利用すると一切放棄する事になります。尚投資に伴い出資企業に於いてマネージメントの任に就く事もPEIプログラムで要求されるユニークなイミグレーションパートナーの義務の一つです。
 
<その他注意事項とまとめ>
PEIのプログラムの狙いは、連邦政府やケベック政府の投資プログラムと競合せずに、自州定着の意思のあるビジネス移民の経済効果を期待するものなので、PEI定住意思の無い申請者の申請は例え資格が有っても拒否されます。PEI居住の意思を申請者から具体的に求めるPEIプログラム独特の制度にGood Will Depositがあります。申請者はPEIに定住する約束として2万5千ドルの保証金を申請時に支払わなくてはなりません。1年後、1年間のPEI居住証明と自分が出資したPEIビジネスでマネージメントメンバーとして任に当たっていた事を証明すると全額返却されます。
 
過去に主申請者または配偶者の連邦政府投資移民申請が拒否された経験が有る、或いは本人又は家族によるケベック投資移民申請が資産形成証明が原因で拒否された経験が有る場合は本プログラム申請資格は有りませせん。申請時点にPEI以外のカナダ国内に既に居住の場合も要注意です、PEIへ移動する意思を面接で強く表明する必要があります。
 
以上簡単なまとめですが、当初にも述べたとおりここに書かれている内容はプログラムの一部分ですから参考に留め申請前にはオリジナルの規定内容を確認して下さい。本文内容のみで判断を下した結果から生ずる不利益に対し当社は一切責任を持ちませんのでその点ご了解下さい。
 
当該プログラムはPEI政府が州内企業に対し外国からの資本投資を促進し、同時にビジネス経験豊富な人材の参加を促し州経済の活性化を期待する主旨なので永住者はPEIに定着する事が期待されています。プログラム内容もその方向でこれでもかと準備されている事は既にお分かりと思います。しかしながら一度確保されたカナダ永住権は州推薦であろうと、憲法で保証された永住者に対する基本的人権の一つの国内移動の自由は平等に保証されている事も又事実です。ここで取得された永住権はPEI州だけで有効な訳では有りませんしPEI政府が居住を強制できるわけでも無いので、将来何らかの理由で他州へ移動をする事を妨げるものでは有りません。但し1年以内に移動した場合は当初の約束を反故にしたという事で定住保証金と語学保証金合計で4万5千ドルが没収されます。



2006年9月1日実施 永住権申請手順に関する変更
SAP (Simplifies Application Program) の施行細目

適用対象

本変更は現時点では連邦政府の経済移民クラスの内の、熟練労働者カテ  ゴリー(Skilled Wroker)とビジネスカテゴリー(企業家、投資家、自営業)が対象です。現時点では2006年9月1日からBFのカナダ領事館を除く世界中の全てのイミグレーション事務所で適用される事になっています。 。

適用対象外:
1)北米地域統括イミグレーション事務所(カナダ総領事館、Immigration Regional Program Center、Buffalo, NY)は唯一のSAP適用外事務所です。9月1日以降も従来の方法を踏襲しますのでご注意下さい。北米に居住中でBFに提出される方は従来どおりとなります。
 
2)連邦熟練労働者カテゴリーで申請する場合で、且つカナダ雇用主からAEOを確保している場合。(AEO:Arranged Employment Opinion)この場合は提出先に係わらず待ち時間無しの最優先扱いで、審査は直ぐに開始されます。始めから必要書類を同封し従来の方法で提出する事が必要です。
 
3)連邦経済移民の中でも州推薦移民プログラム(PNP)は対象外です。又ケベック移民プログラムや配偶者、両親の呼び寄せの為の家族移民も従来の方法に変更は有りません。
 

申請手順変更

当該クラスでの申請は9月1日以降は2段階申請システムが採用される為、イニシャル申請(始めの)の手続きが大幅に簡略化されます。必要書類は1)申請用紙(IMM0008SW)2)代理人指定届け用紙(IMM5476)*もしも代理人申請を行う場合 3)申請費 以上のみです。語学力証明の為の英語テスト結果を含むサポート資料は一切不要です。審査上必要な情報やサポート資料は後日、審査順番が回って来た段階で担当オフィサーから通知されます。SAPも従来の方法も法律上有効な申請手順なので、誤って従来の方法で申請しても、SAP上設定された条件を満たせば受理が拒否される事は有りません。しかしサポート資料一式は返却されます。SAPでイニシャル申請を行う目的は要するに審査順番待ちだけですから審査に必要な書類は不要と言うことです。イニシャル申請が受理されると、受理確認手紙が発行されますが、そこで推定待ち時間(ビザ発行までの時間では有りません)も知らされます。この期間はオフィサーから指示が有る迄は、以下の例外情報を除き一切の資料提出は認められません。但し以下の情報は直ちに報告する必要が有ります。1)郵送メールアドレスの変更、2)代理人の氏名解除/変更届け、3)申請取り下げ、4)PNPで推薦され、Nomination Certificateを取得した場合、5)AEOを取得した場合。以上の4)5)の場合は、それぞれ、Nomination Certificate、AEOを提出すると、その時点で審査が開始されます。資料提供通知は審査開始4ヶ月前頃に担当オフィサーから行われます。資料が到着次第オフィサーは即座に審査に入りますから、完璧なサポート資料の準備・提出が大切です。 尚イニシャル申請の受理通知には推測待ち時間が6ヶ月単位で記入されていますが、この間に申請者が申請を取り下げると申請費が返却されます。 最終審査の内容は現在と何ら変わりは有りません。SAPだからと言って、審査基準が容易になった訳では有りませんのでご注意下さい。審査対象内容は申請時に凍結された事実に加え、申請から審査までの待ち時間の間に起きた点数査定対象の事実を加える事が出来ます。例えば申請時に比べ、学歴、職歴、語学力、カナダ適応力などの項目での点数を改善する事も可能です。因みに英語テストの有効期限(1年間)に関しては、現行法では申請時に1年未満であれば有効ですからSAP下でもこの規準は適用されます。即ち資料提出時には3年前のものであっても、イニシャル申請時点で1年未満のテスト結果ならば有効と認められます。

変更の背景

現時点での全世界レベルで、審査待ちの提出済み連邦経済移民申請数は50万人を超えています。この在庫数は現在の処理スピードから判断すると4年分の在庫です。今回のSAPの発表は、在庫過多から来る審査時間の長期化を考慮した結果です。申請者の無駄な努力を省く一方、申請後は追加情報は原則として認めないことで、イミグレーションサイドで今まで負担となっていた資料の出し入れ等無駄な作業を削減し作業効率を上げる事を意図しています。又、サポート資料を含む膨大な申請書類の保管も頭痛の種でしたがこの問題解決も目標の一つです。しかしながら在庫過多が申請時間の長期化は処理スピードの問題では無く受け入れ新移民年間枠の問題です。ですから現状の23−24万人の年間予定枠を大幅に増やさない限り解決するものでは無い事は明白です。
 
SAPは審査が開始されない限り待ち時間の間なら申請費返却を含む申請の取り下げも可能なので、申請手順の容易さ経済的な負担の少なさから、“取敢えず申請派が増える事も予想されます。カナダ永住の進路がまだ明確では無い或いは点数が不足している場合など、ただ悩み日本で待つのならば取敢えずSAPで申請を済ませ、順番を確保しつつ課題に取り組むと方法は現実的だと思います。

最後に、今回のSAPの紹介はカナダ永住権を短時間で達成する事には直接結びついているものでは有りません。当初の申請手続きが面倒を後回しにした為、取敢えず容易になっただけです。マニラでの待ち時間の4−5年には変化は無く審査基準、準備内容も同じです。皆さんの審査時間の短縮に本当に繋がるのは、最優先扱いを受けるケースで申請出来る様に努力することです。具体的には、恒久雇用オファー(AEO)の確保、PNPで州推薦を確保、或いはカナダ一時就労(LMO)の実現、などは何れも待ち時間は無いか少ない事をご理解下さい。

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